飯沼飛行士記念館
映画『風立ちぬ』の主人公のモデルとなった航空技術者・堀越二郎が、「零戦」の設計に取り組み始めた1937年(昭和12年)、時を同じくして1機の国産機が東京からロンドンに向けて飛び立ちます。
パイロットの名は飯沼正明(いいぬま・まさあき)。陸軍で操縦技術を習得し、その後朝日新聞社の報道部に所属していた彼は、機関士の塚越賢爾(つかごし・けんじ)とともに15,000kmを超える大フライトに挑み、約94時間という当時の世界最短記録でこれを成功させました。
日本とヨーロッパを結ぶ定期便はおろか、飛行記録さえほとんどなかった時代。この快挙は日本のみならず世界中でニュースとなり、飯沼と塚越は一躍時の人となりました。
ふたりは行く先々で熱狂的な歓迎を受けますが、彼らの国際親善の役割は、まもなく勃発した第二次世界大戦によって中断されてしまいます。そればかりか、優れた技術者であった飯沼と塚越が「兵器としての航空機」と無縁でいられるはずもなく、それぞれが悲劇的な運命をたどることとなります。
飯沼飛行士記念館は、平和な空に日本とヨーロッパをつなぐ橋を架けた飯沼の功績をたたえ、現在の安曇野市出身である彼の生家跡を記念館としたものです。
Basic Information
所在地
長野県安曇野市豊科南穂高
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